富士山を安心・安全で登頂するためには山小屋の宿泊や仮眠は重要!!
初めての山小屋利用でも安心して過ごすためのポイントをまとめてみました。
山小屋ってどんなところ?!
富士山の山小屋は、不便な高地にあるため下界のホテルや旅館での宿泊とは大きく違います。簡易宿泊所であり、必要最低限の設備になります。
富士山では水が貴重なため、洗面や手洗い用の水はありません。もちろん、お風呂・浴場もありません。大半の山小屋は広間を就寝スペースとして多くの登山者と共有します。共同生活する場所としての意識を持って、お互いに配慮し合うことが一番大切です。
山小屋での滞在について
ほとんどの山小屋では大部屋になっていて、いわゆる雑魚寝が一般的なスタイルになります。
山小屋により布団または寝袋を利用します。もちろん寝袋は山小屋で用意されているので持参する必要はありません。
従来、布団の場合、繁忙期は1つの布団で複数名の利用となる場合があり、男女相部屋の雑魚寝となります。中には、細かく区切ったり、個室(施錠はなし)を用意しているところもあります。更衣室なども山小屋によっては特別に場所を設けている場合と設けていない場合があります。
現状コロナ過においては、布団は1名での利用となる予定で、以前よりも密にならないよう山小屋の定員が少なくされています。
- こんなグッズが役に立つ!!
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【タオル】目元にかければアイマスクの役割にもなります。そのほか、タオルは何かと役にたつので重宝するはず!
【耳栓】いびきなどの雑音で寝れない場合など、耳栓があれば安心です。
【アイマスク】広間で仮眠をとる場合、真っ暗にはなることがありません。明るいと寝れない人は持参することをおすすめします。
山小屋の食事について
※山小屋によりアレルギーやハラル対応ができる場合とできない場合があります。
【夕食】
宿泊する山小屋により異なりますが、夕食はほとんどの山小屋ではカレーとなります。一部の山小屋ではその他、ハンバーグなど別のメニューを用意しているところもあります。
量的には普通盛りで、大盛りやお代わりはできません(一部の山小屋ではおかわり可能です)。うどんやラーメン、丼類などの別料金で追加はできます。カップ麺の販売はありますが、富士山では水が貴重なため、カップ麺を持参して、お湯だけもらうことはできません。
また、ビールなどのアルコール類の販売もありますが、標高が高い場所での飲酒は酷い頭痛や悪酔いになる可能性があるのでなるべく控えた方が良いでしょう。
※食事は交代制なので、次に待っている人のために、食べ終わったらなるべく長居はせずに席を譲りましょう。
【朝食】
朝食はお弁当となり、山小屋に入った時もしくは夕食時に配られます。おにぎり弁当やお赤飯などが一般的です。
登頂、ご来光の後、山頂でお召し上がりください。夕食同様に普段からよく食べる人は自身でパンなどの補食などの追加の食事を用意しておきましょう。
山小屋のルールとマナー ~何事も常識の範囲での気遣いを~
- 館内では静かにしよう!
- 他の仮眠・宿泊者の睡眠を邪魔するような音はたてないように心がけましょう。消灯後にザックをゴソゴソするのは思っている以上に迷惑がかかります。消灯前に必要なものは事前に手の届くとことに用意をしておきましょう。
- 明かりの利用には気配りを!
- 消灯後、暗い室内をライトを使用したい場合もありますが、就寝中のほかの宿泊者に迷惑がかからないように十分な気配りをしましょう。
- トイレの利用のルールは守ろう!
- 富士山の山小屋のトイレは、全て環境配慮型になっていますが、処理方式(注1)が異なるため、利用する際は、必ず利用方法や注意事項を確認しましょう。また、山小屋によっては100~300円程度の協力金(チップ)がかかる場合があります。小銭の準備は忘れずにしておきましょう。
(注1)例えば、おがくずによる処理の場合は、紙を捨てることができません。トイレに備え付けの水を使用後にかけるタイプのトイレもあります。
- アルコールは控えめにしよう!
- 山小屋は高所にあるため、下界での飲酒より酔いやすくなりやすいです。次の日の登山で体調を崩さないためにも、飲酒は少量に控え、ほかの仮眠・宿泊者に迷惑をかけないようにしましょう。
- ゴミは捨てずに各自で持ち帰りましょう!
- 富士山にはゴミ箱はありません。山小屋も同じくゴミ箱はありません。仮眠・宿泊者が出すゴミは、山小屋がクローラーで五合目まで運んで処理しなければならず大変な費用がかかります。ゴミは必ず各自で持ち帰り、山小屋はきれい使いましょう。
はじめての山小屋利用の疑問を解決!
富士山の山小屋 Q&A
- お風呂やシャワーはありますか?
- 水が貴重な富士山の山小屋にはシャワーやお風呂はありません。ウェットティッシュなどを持参するのがおすすめです。
- 寝間着などは用意した方がいいの?
- 登山をしたそのままの格好で就寝する人が大多数です。寝間着はあれば楽ですが、荷物が増え、着替えも大変です。どうしても着替えたいという人はスパッツと替えのTシャツなどを持参してみては?
- お湯やお水は山小屋でもらえますか?
- 水は麓からクローラーという車で運ぶため、大変貴重です。夕食時に最低限の水またはお茶は貰えますが、それ以上となると山小屋により異なりますが基本的にはすべて有料対応となります。お湯は有料でも対応していない山小屋があります。水が欲しい場合は売店で購入してください。
- 山小屋の売店では何が売っていますか?どんなサービスがありますか?
- ほとんどの山小屋には売店があり、様々な物を販売しています。飲み物は水やお茶、コーヒー、缶ビールなど、食べ物は山小屋により多種多様です。山頂であってもカップ麺や水、コーヒー、缶ビールなども販売しています。ただし、全般的には下界よりは値段は高く、高度があがるほど値段は高くなっていきます。その他、山小屋オリジナル商品の販売や金剛杖への焼き印(有料)などのサービスも行っています。※焼印は深夜で火を落としている場合は対応不可となります。
- クレジットカードは使えますか?
- 五合目施設はほとんどでクレジットカードが使えます。また、登山道中の一部の山小屋ではクレジットカード対応をしていますが、気候や時期、通信状況などにより決済端末が使えない場合があります。基本的には全て現金払いと考えたほうが無難です。